Soirée Ballets Russes, ONP Garnier [12 12 - 28 12 2009]

[futaba]

[本家]のminaさんとsophia さんが、12月28日の、『薔薇の精』のビデオを紹介してくださいました。
ありがとうございま～す。

ティボー、ムッサン組ですね～。
音楽が少し重いような気が・・・。

リンク先。
http://www.youtube.com/watch?v=MBMBwRgIDA8

[mizuko]

まだご紹介していなかったものをとりあえず。　ResMusicaのレビューへのリンクです。
> Messieurs, mesdames, applaudissez ! (par Delphine Goater (19/12/2009))

あと、本家より、Rosita Boisseauによる Le Monde の記事です。
> Quand les Ballets russes jouent l'érotisme (21/12/2009)

[mizuko]

パリで12月22日と23日の公演を観ましたので、簡単なレビューを載せておきますね。

2009年12月22日

12/22の公演は、欧州の一部の映画館で生中継されたほか、ロシアではテレビ放送もされましたし、フランスでも新年に放送されてます。　既にYTには動画がアップされているようですよ～。

『薔薇の精』　Le Spectre de la Rose
マチアス・エマン／イザベル・シァラヴォラ

マチアス・エマンの薔薇の精は、技術的には申し分ないけれど、やはり何かが足りないという感じ。　シァラヴォラは、こちらがうっとりとするような "ロマンチシズム" を体現してましたが、しかし、この二人はどこかかみ合っていないという印象が拭えず。


『牧神の午後』　L'Après-midi d'un faune
ニコラ・ル・リッシュ／エミリー・コゼット

まずは舞台美術がガルニエの舞台に映えて素晴らしい。
事前にいくつかのレビューに書かれていたとおり、確かにニコラ・ル・リッシュの牧神は官能性が薄かったとは思いましたが、彼なりの解釈というものはあったと思います。　エミリー・コゼットは、ビジュアルとしては美しいのだが。。。


『三角帽子』　Le Tricorne
ジョゼ・マルティネス／マリ＝アニエス・ジロ

全体的に客席もクールであった「バレエ・リュス」プログラムで、一番拍手が大きかったのがこの『三角帽子』です。　ジョゼ・マルティネスは、踊りはスマート、演技は軽いタッチのコメディといったところ。　彼が持つ二つの魅力が全開で、客席からも喝采を浴びてました。　マリ＝アニエス・ジロも悪くはなかったと思いますが、ちょっと動きが重かったですかね。


『ペトルーシュカ』　Petrouchka
バンジャマン・ペッシュ／クレールマリ・オスタ／ヤン・ブリダール

音楽も美術も素晴らしい作品ですよね。　バンジャマン・ペッシュのペトルーシュカは、いくつかのレビューにあったとおり、"pathos" を前面に押し出したものでした。　そこに胸を打つような何かがあれば、もっと心に響いてきたのではないかと思います。　バレリーナ役のクレールマリ・オスタ、ムーア人のヤン・ブリダールはすごく良かった！　それと、コールドバレエに一体感があって、彼らも素晴らしかったです。

ただ、『ペトルーシュカ』では、舞台セットとして、舞台の上に幕で枠がしつらえてあって、紙芝居を見ているような感じにその枠の内側の狭い空間の中でいろいろ起こるようになっているので、ちょっと座席が端になるとかなり見えづらくなるんですよね。　22日は端に近かったので、ややストレスでした。


この日の公演は、各演目の後にカーテンコールがありました。　23日にはなかったので、「中継用」なんですかね。　どちらの日も拍手があっさりと消えてしまっていたので、22日のカーテンコールはちょっと慌しく挿入されてました～。　拍手が終わらないうちに・・・ってかんじに。

[mizuko]

2009年12月23日

11月の昇級試験でプルミエに上がったばかりのジョシュア・オファルトとヴァンサン・シャイエが、それぞれ『薔薇の精』と『三角帽子』に主演するという公演でした。

『薔薇の精』　Le Spectre de la Rose
ジョシュア・オファルト／デルフィーヌ・ムッサン

ジョシュア・オファルトの薔薇の精もマチアスと同じく、技術的には足りているけれど、何かが（もっと）欠けているといった印象。　驚かせてもらえなかったのが残念です。　ムッサンは、作品の流れに対してちゃんと組み立てられた表現をしていたように思います。　ただ、ちょっと少女にしてはゆったりし過ぎだったかも。


『牧神の午後』　L'Après-midi d'un faune
ヤン・ブリダール／エミリー・コゼット

今回観た2公演の中での一番のヒット！と言えるのが、ヤン・ブリダールの牧神でした！　シャルル・ジュドのともニコラ・ル・リッシュのとも全然違う独特の解釈。　まるでまだ子供のようなピュアな牧神で、今この瞬間に性に目覚めたというかんじなんだが、内に秘められた野獣性もちらりと見て取れる程度にちゃんと盛り込まれてました。　ニンフに投げかける視線も、ジュドの獲物を見定めたようなものではなく、好奇心にそそられているといった雰囲気。　この前にもこの先にも物語があるかのような広がりもあるヤンブリによる牧神。　非常に面白かったです～。


『三角帽子』　Le Tricorne
ヴァンサン・シャイエ／アリス・ルナヴァン

とても好感が持てる舞台でした。　この二人は町でも人気者の若夫婦といった印象で、アリス・ルナヴァンがかわいくて艶やかで、大変魅力的に粉屋の妻を踊っていました。　ヴァンサン・シャイエもジョゼとは違う役作りをしていて、好印象。　フラメンコにしては上半身が動きすぎなように思いましたが、それも若さに置き換えられるものでした。

しかし、22日の公演もそうだったのですが、中盤から睡魔に襲われ、作品後半の記憶が全くないのが残念であります。


『ペトルーシュカ』　Petrouchka
ニコラ・ル・リッシュ／エヴ・グランツタイン／ステファン・ビュリヨン

ニコラ・ル・リッシュのペトルーシュカは、2007年にイレールが東京で踊ったものに近いかんじ。　体の中身が空洞で、小さな魂が宿っているだけ。　感情はあるけど、思考がない。　私はこの解釈は好きです。　あともう少しインパクトが欲しかったかも。　バレリーナ役はグランツタインでしたが、彼女独特の解釈でした。　人間に近い。　ただ成功していたようには思えなかったですかね。　ステファン・ビュリヨンのムーア人は、役柄の造形に彼なりの解釈がなかった・・・ように見えました。　あと、シャルラタンをミカエル・ドナールが演じたのですが、存在感たっぷりで、それだけでも圧倒されました～。　それとこの日もコールドバレエが素晴らしかったです。


せっかくのバレエ・リュス100年を祝うプログラムだったのですが、会場全体の雰囲気としては、盛り上がりに欠けていましたねぇ。　笑いが起こるところでは起こってましたが、拍手はあっさりと終わってしまっていて、それがちょっと残念でした。。。

[mizuko]

先日更新されたDance Cubeにわりとたくさん写真が載っています。　ジェレミー・ベランガールの牧神の写真も。　あと、ニコラ・ル・リッシュのペトルーシュカも、ですかね。

http://www.chacott-jp.com/magazine/world-report/from-paris/paris1001a.html
http://www.chacott-jp.com/magazine/world-report/from-paris/paris1001b.html

[mizuko]

ダンスマガジン 2010年3月号で告知があったとおり、昨年12月に収録された映像が、早くもNHK芸術劇場で放送されます！

2010年 2月19日（金） 10:30pm～　NHK芸術劇場　（NHK教育）

http://www.nhk.or.jp/art/current/music.html#music0219