Soirée Ballets Russes, ONP Garnier [12 12 - 28 12 2009]

[mizuko]

もうひとつ本家より。

まず、公式サイトのキャストが更新されてまして、『ペトルーシュカ』のシャルラタンの配役も発表になってます。　第一キャストは、ステファン・ファヴォラン。　ほかに、ミカエル・ドナールとローラン・ノヴィも踊るようです。

あと、12月16日のボリショイとの合同ガラ（AROP公演）についても変更が・・・。
ザハロワと黒鳥を踊ることになっていたマチュー・ガニオが降板したようです。　代わりに入るのは、カール・パケット。　ステファン・ビュリヨンがロットバルトを踊ります。　この影響で、同日の『ペトルーシュカ』のムーア人役は、ヤン・ブリダールが踊ることになっています。

なお、『くるみ割り人形』についてのキャストには、現在のところ変更はないそうです。　マチューもそのまま入っています。


以下、公式サイトより：

Distribution gala
16 décembre 2009 à 19h30

Spectre de la Rose (Le)
LE SPECTRE Mathias Heymann
LA JEUNE FILLE Nina KAPTSOVA

Après midi d'un faune (L')
LE FAUNE Nicolas Le Riche
LA NYMPHE Emilie Cozette

i[]La Mort du cygne[/i]
Le Cygne Marie-Agnes Gillot

Shéhérazade - Pas de deux
Danseuse Agnes Letestu
Danseur Nikolai Tsiskaridze

Giselle - Pas de deux
Danseuse Aurélie Dupont
Danseur Ruslan SKVORTOV

Tricorne (Le) - Pas de deux
Danseuse Maria Alexandrova
Danseur Jose Martinez

Lac des cygnes (Le) (Pas de trois du cygne noir)
Mlle Svetlana Zakharova
M Karl Paquette
ROTHBART Stéphane Bullion

Petrouchka
PETROUCHKA Benjamin Pech
LA POUPEE Natalia Ossipova
LE MAURE Yann Bridard
LE CHARLATAN Michaël Denard

Dernière mise à jour le 9 décembre 2009, distribution susceptible d'être modifiée.

[mizuko]

昨夜、バレエ・リュスのほうも無事に、事前発表のキャストのとおりで、幕を開けたようです。 　床が滑るのか、ジェネラルでは『ペトルーシュカ』で転倒者続出との情報がありましたが、昨夜は一人だけだったとか。　でも、やっぱり滑るってことですな。　みなさんお怪我のないよう、最後までがんばってください。

まだレビューは入っていないんですが、ハイドンさんからは、この夜のヒーローは、『三角帽子』のジョゼ・マルティネス！とファブリス・ブルジョワのことです。　ジョゼの『三角帽子』が予定通り収録されるといいですよねー。

[mizuko]

[本家より]

Fedephoto.comに写真が載りましたので、どうぞ～

Petrouchka
Le Spectre de la rose
Le Tricorne
L'Après-midi d'un faune

[mizuko]

さて、第一キャストに続き第二キャストも既に踊り終えているのですが、本家のほうは議論が白熱しています。　特に『薔薇の精』について。　「オーケストラのテンポが遅すぎる」というところから、いろいろな意見が飛び交っている様子。　。。う～む、しかし、フランス語能力が至らないお陰で、ちょっと理解しきれない私。誰か助けてくれないかなぁ。。。

[Bera]

こんにちは。France2でちょこっとレポがありました。

http://jt.france2.fr/20h/

Mardi 15 28分54秒位から。
ニコラの牧神、ジョゼの三角帽子も！

[mizuko]

わぉ♪　Beraさん、ありがとうございます


さて、大変お待たせしました。

本家で白熱している議論は、バレエに対する造詣が深い方たちによるハイレベルなもので、しかも「バレエ・リュス」という100年にわたって数々の伝説が存在する作品たちなため、現在を生きるダンサーたちが踊る「バレエ・リュス」には、目にしたばかりということもあって、いろいろと意見があるようです。　特にバレトマンたちの期待を集めるマチアス・エイマンが踊った『薔薇の精』は、いろいろと比べたりしたいのでしょう。　また、シャルル・ジュドのもはや伝説的とも言える『牧神の午後』も、ニコラ・ル・リッシュによる「牧神」の比較対象として挙げられています。　ジュドは10月に自身のボルドー・バレエでの「バレエ・リュス」プログラムで「牧神」を踊っていますし、フランスではこの公演を取材した番組が、今週放送される予定になっています。（詳しくは、TV/Radioのスレッドをご参照ください。）　2007年に東京バレエ団の公演に客演したのを観ましたが、ジュドの牧神は本当にすごかった。　ジュドは、1976年に『牧神の午後』をオペラ座で上演した時、レオニード・マシーンとロモラ・ニジンスカから直接役を与えられたダンサーなのだそうです。　

とはいえ、この議論、「パリ・オペラ座がバレエ・リュスの体現者というわけではないし、もはやバレエ・リュス（だけ）がバレエ、あるいはダンスの神髄ではないのだから・・」というakhmatovaさんのコメントで収束を迎えたようです。　やれやれ。


さて、第一キャストの2回目の公演も終わり、ハイドンさんやソフィアさん、ほか常連の方々のレビューを中心にまとめてみると、こんなかんじで合ってると思います。


初日。

まずはマチアス・エイマンの『薔薇の精』。　「まるで彼のための役のように軽々としたジャンプの数々・・・」といった称賛のある一方で、ハイドンさんはパートナーのイザベル・シァラヴォラに対して、ちょっとつれない（無関心）な印象を受けたのが残念だったと言っていました。　もちろん技術的には申し分ないとも言っています。　しかし、それも2回目の舞台では改善されていて、良くなっていたようです。　シァラヴォラについては、みなさん「詩情があってよい」との評価。

ニコラ・ル・リッシュの「牧神」については、『牧神の午後』という作品を踊る難しさに加え、シャルル・ジュドによる究極とも言える「牧神」が未だ舞台に生きているということで、どうしても比較したくなるし、ニコラ・ル・リッシュにとっては「ミッション・インポシブル」ではないだろうか、とハイドンさんはコメントしています。　もちろんそこには、ル・リッシュというダンサーに対する大きな期待があるからでしょう。　ジュドのほうが、より sensual で、より動物的で、より気だるく、より粗暴、と。　Beraさんが貼ってくれたリンク先のルポ映像で、ちょっとわかりますね～。　ニコラの牧神には精気があります。　誰かが「若い」といってました、そういえば。

『三角帽子』という作品自体はあまり人気がないようですが、それでもジョゼ・マルティネスの粉屋にはみなさん惚れたようです。　アカデミックでスタイリッシュなダンスはテクニックも役作りも素晴らしく、絶賛されています。　妻役のマリ＝アニエス・ジロについては、ハイドンさんはいま一つと言っていましたが、代官やほかのソリスト役は褒めています。

『ペトルーシュカ』。　バンジャマン・ペッシュは哀しい道化を演じ、クレールマリ・オスタのバレリーナは辛辣。　ムーア人を踊ったヤン・ブリダールは、ここでもまたユニークな役作りをしていたようで、ムーア人役に隠された「笑える」要素を前面に押し出していたみたいですね。　ステファン・ファヴォランによるシャルラタンも非常に良かったそうです。　ハイドンさんはニコラ・ポールについても褒めています。　あと、街の踊り子役のダヤノヴァとマレムが好印象を残したようです。



2日目。　第一キャストより第二キャストのほうが高評価なのです。

『薔薇の精』は、ハイドンさんによると、初日よりもさらに音が遅くなっていたようなんですが、それでも、エマニュエル・ティボーは軽さを保っていてとても良かったみたいですね。　アームスも流れるようでポエティックだったそうです。　ムッサンも心に響く魅力があった、と。

ステファン・ビュイヨンとステファニー・ロンベールの『牧神の午後』は、非常に高い評価を得ています。　ハイドンさんは、ロンベールのニンフはとても的確で説得力のあるものだったと言っています。

『三角帽子』を踊ったステファン・ファヴォランとエヴ・グランスタインも大変好意的に受け止められたようです。　ハイドンさんによると、二人とも知性を持って役作りをしていて、グランスタインはエレガンスと洗練と村に住む女性のシンプルさのコントラストが見事であったし、ファヴォランはマルティネスほどの技術はないにしても卓越した演技力を発揮してカバーしていたようです。　一見の価値あり、とのこと。

『ペトルーシュカ』も大変良かったようですね。　初日を踊ったペッシュの哀しい存在で胸を打つペトルーシュカに比べて、ジェレミー・ベランガールのほうは、よりやんちゃで、気性が激しかったそうです。　これはバレリーナ役にも影響し、踊ったのは同じオスタだったのですが、ペッシュとの時よりベランガールと踊った2日目のほうが、より辛辣だったみたいです。


ソフィアさんのコメントをまとめると、初日は、『三角帽子』のジョゼ・マルティネスはとってもよかったというのに、どの演目にも衝撃を受けなかったそうで、一番頑張ってたのは活き活きと踊っていた『ペトルーシュカ』のコール・ド・バレエだとのこと。　しかし、第二キャストについては、エトワール揃いの第一に比べて、明らかに「プルミエの舞台」ではあったけれども、役に対する洞察力に感心した公演だったようです。　この「控えめ」なダンサーたちの舞台が映像に残らないのが残念・・・というようなことをおっしゃってます。


初日キャストの2回目の登場も終了してまして、最初からそうだったのかわかりませんが、ジョゼ・マルティネスの『三角帽子』はコメディ要素が強いみたいなんですよ。　想像に難くないですけど、ビデオで見慣れているカデ・ベラルビのものとは違うアプローチをしているみたいです。　映像化が楽しみですね！


さて、今日はいよいよボリショイとの合同ガラ公演です！　またコメントがどっと押し寄せるのでしょうね～。　はぁ～、もぉ、ここまででもすごい大変だったのに。。。誰か褒めて。。。

[mizuko]

[本家より]

Financial Times紙が「バレエ・リュス」のレビューを掲載したそうです。　ネットで読めますのでどうぞ～。
Financial Times - Ballets Russes, Ballet de l’Opéra, Paris, par Gerald Dowler (15/12/09)

それと、Altamusicaにジェラール・マノニ氏によるレビューが載りました。　第一・第二キャストについてですが、やはりダンソマニの常連さんたちのレビューと似たような内容になってます。
> Altamusica - Ballets russes (1) : Rôles mythiques

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[ごく大雑把な内容を追記 12/17]

『薔薇の精』　　若きエトワール　マチアス・エイマンはテクニック的には素晴らしいけれど、何かが足りない。　その点、より経験のあるエマニュエル・ティボーは、ダンスが見事だっただけでなく、素晴らしい腕の動きで夢の世界へ誘った。　イザベル・シァラヴォラとデルフィーヌ・ムッサンは、ロマンティックな容姿が生かされていた。

『牧神の午後』　ニコラ・ル・リッシュは、この難しい作品に対し、いささか及び腰。　一方のステファン・ビュリヨンは、素晴らしい解釈を見せた。　エミリー・コゼットとステファニー・ロンベールの二人のニンフは完璧だった。

『三角帽子』　　ジョゼ・マルティネスは成熟度においても芸術性においてもキャリアのピークにあり、初日の公演でのヒーローだった。　マリ＝アニエス・ジロも安定したテクニックと演技のセンスを見せた。　ステファン・ファヴォランとエヴ・グランスタインは、悪くはなかったがマルティネス×ジロのレベルまでは達していなかった。　しかし、彼らにとっては初役なのである。　ファブリス・ブルジョワとピエール・レティフは、傑作コメディアン。

『ペトルーシュカ』　バンジャマン・ペッシュに比べて、ジェレミー・ベランガールのペトルーシュカのほうがより表現力に富み、気持ちがこもっていて感動的で、説得力のあるものだった。　ヤン・ブリタールのムーア人とクレールマリ・オスタのバレリーナは、完璧。　ミカエル・ドナールがシャルラタンで登場して、強い存在感を見せた！

オーケストラもヴェロ・パーンの指揮のもと、素晴らしい解釈で音楽を奏でた。　衣装部門の仕事も称賛に値する。　出演者たちは未だ観客の期待に応え切れていない感もあるとはいえ、バレエ・リュスを称えるという意味で、年の終わりにバラエティに富んだ秀逸なプログラムであると言えよう。

[clara-anne]

[mizuko]

clara-anneさん、ありがとうございます


さて、昨夜のボリショイとの合同ガラ公演（GALA AROP）ですが、ハイドンさんからの短評では、「素晴らしかったのは、『シェヘラザード』のルテステュとツィスカリーゼ、『三角帽子』のアレクサンドロワとマルティネス、『ジゼル』のデュポンとスクウォルツォフ、それと忘れてならないのが『ペトルーシュカ』のオシポワ」だそうです。

レビューがアップされてくるのは、半日後以降でしょうね～。

[mizuko]

[本家より]

先にTF1のルポ映像のリンクだけアップしますね 　　16日の公演についてではありませんが、France 2よりも長いです。

http://videos.tf1.fr/jt-20h/les-ballets-russes-fetent-leur-100-ans-a-paris-5598773.html

[mizuko]

さて、16日のガラ公演について。

ハイドンさんの短評には名前が挙がってませんでしたが、ザハロワ×パケット×ビュリヨンによる黒鳥のパドドゥで話題は持ち切りです。　ザハロワが女王のようだった！という称賛の声がある一方で、ザハロワとパケット＆ビュリヨンの組み合わせが上手くいってなかったみたいで、中にはパケットもビュリヨンもザハロワと踊るには役不足というようなコメントもありました。　ただこの二人もよくやっていたとも付け加えられていて、舞台セットがなかったのと、照明がピンクだったし、リハーサルもほとんどできなかっただろうし、ロットバルトの衣装も変だったし・・・という補足も次々に入っています。　で、話はその後、2005年に『白鳥の湖』でザハロワがオペラ座に客演した時の話で盛り上がっているようです。　このときの2公演での王子はジャン＝ギヨーム・バールとニコラ・ル・リッシュ、ロットバルトを2日間ともローラン・イレールが踊ったのでしたよね。　彼らほどの強烈な個性と存在感は、確かにパケットとビュリヨンには足りないかもしれませんね～。　しかしまぁ、ほかの演目も公演中で、役に対する経験値にも差がある中ですから、パケットとビュリヨンは分が悪かったことは確かかと。　さらに、ハイドンさんやソフィアさんのコメントを読んだりすると、若干ザハロワが"一人で踊っていた" といった感じだったようです。　リハーサルはほとんどなかったでしょうし、恐らくザハロワとパケットは組んだこともないでしょうから、ね。


え～、で、このガラは、どうやらどの演目にも舞台セットがなかったようです。　ボリショイとオペラ座のダンサーが組んでいたわけで、どうしたってリハーサル不足は否めません。　そういうこともあったためか、わりと反応はクール。　ソフィアさんが長めのレポートを書いてくれてますが、彼女もこのガラに対して芸術的な面は期待していないと言っています。　以下、ソフィアさんのレポートを中心に、ガラの全体像を。

ガラ最初の演目は『シェヘラザード』。　ルテステュとツィスカリーゼが踊りましたが、まるで正反対な印象の二人の組み合わせは、衣装も正反対だったみたいです。金の奴隷の衣装は、金や宝石に飾り立てられたのに対し、ゾベイダはミニマルな衣装だったとか。　ルテステュが良かったという声は複数ありましたが、逆にちょっとice cubeみたいだったという声も。　ソフィアさんもルテステュがゾベイダ役を掴めているのかどうか疑問に思っているようでした。

一方で、オレリー・デュポンとルスラン・スクウォルツォフの「ジゼルのパドドゥ」については、反響が大きいです。　ガラで感動したのはこのPDDだけというコメントもありましたし、ソフィアさんもスクウォルツォフのパートナリング技術とオレリー・デュポンの非の打ちどころのないスタイル含め、絶賛しています。　3月の来日公演が楽しみになりますね。

ジョゼ・マルティネスとマリヤ・アレクサンドロワの『三角帽子』もよかったようですね。　第1部の締めは「黒鳥のパドドゥ」で、これは上に書いたとおりです。

第二部は、『ペトルーシュカ』のみ。　これについてはあんまりレポートが入っていないのですが、ソフィアさんはオシポワのバレリーナを絶賛していますね～。　バレリーナ役というのは、そんなに自分の解釈を入れる余地はない役ですが、それでも、クレールマリ・オスタとは全く違う役作りだったようです。　オシポワは、彼女の気質をそのまま投影したかのように血の通ったバレリーナを演じて、音楽性も素晴らしく、強烈に輝いてたみたいですね。　バンジャマン・ペッシュ（ペトルーシュカ）とヤン・ブリダール（ムーア人）のトリオがとても良かった！そうです。


あ、あれ？　もしかして当初予定にあった『薔薇の精』、『牧神の午後』、「瀕死の白鳥」は、やらなかったのでしょうか？　ソフィアさんも書いてないし、ほかにもまったく感想が上がってないうえ、「なんでニコラ・ル・リッシュはこのガラに出演しなかったの？」というコメントも見かけました。　あららら？


ちなみに、ガルニエ宮の大階段は赤と白の花で飾られ、衛兵隊が正装して整列していたようです。　大臣や各国の大使たちも列席し、観客もイヴニングドレスであったり、シャンパンがふるまわれたりして、非常に華やかなソワレだったようです～。

[mizuko]

[本家より]

[mizuko]

[本家より]

16日のガラ公演のロシアのテレビ局によるルポ映像です。　リハーサルとインタビューですが、ルテステュがきれいです～。

http://www.1tv.ru/news/culture/157558

[mizuko]

パリはまだ年が明けてないですよね。　大晦日の夜のキャストに変更が出てるようです。
「バレエ・リュス」プログラム最終日でもありますが、『薔薇の精』は、マチアス・エマンではなく、エマニュエル・ティボーが踊るそうです。　
素敵な夜になりますように。

[futaba]

[本家]のIngrid さんが、France 3 のビデオクリップを2本、紹介してくださいました。
ありがとうございま～す。

面白い・・・！

http://programmes.france3.fr/musique-classique/index-fr.php?page=musique&id_rubrique=161
http://programmes.france3.fr/musique-classique/index-fr.php?page=musique&id_rubrique=155