The 14th World Ballet Festival 2015 [29/07-16/08/2015,Tokyo]

[mizuko]

あぁ、私の懸念的中。

NBS がデイヴィッド・ホールバーグの降板を発表しました。　これに伴い、Bプロにパートナーとして出演することになっていたスヴェトラーナ・ルンキナも降板です。

http://www.nbs.or.jp/blog/news/contents/topmenu/post-554.html

怪我からの復帰が遅れているようですね。　降板は残念なニュースですが、来シーズンこそ舞台に復帰できますようお祈りしています。

[mizuko]

8/16 のガラの全演目が発表されました。　未発表だったのものだけでなく、一部変更もあるようですので、ご確認ください。　なお、ホールバーグとルンキナの降板に伴って、でしょうかね、ヴィエングゼイ・ヴァルデスとダニーラ・コルスンツェフがガラにも参加、ゼレンスキーの相手役として上野水香さんが出演することになったみたいです。

ちなみに、我らがミリアムとマチアスは、白鳥から変わって眠りのグランですよー！　ひゃっほー♪　それと、オーレリーとエルヴェは、ジェレミーの新作から 椿姫 に変更ですっ！　やったぜ！

http://www.nbs.or.jp/blog/news/contents/topmenu/14-7.html

[mizuko]

世界バレエフェスティバル開幕までいよいよ1週間を切りましたね！　本格開幕の前に全幕特別プロ 『ドン・キホーテ』 がありますが、残念ながら特別出演を予定していたウラジーミル・ワシーリエフが降板とのアナウンスが出ています。

http://www.nbs.or.jp/blog/news/contents/topmenu/post-555.html

これを受けてワシーリエフと協議し、新たにヴィエングゼイ・ヴァルテスがメルセデス役で第1幕のみ出演することになったそうです。　ワシーリエフ版は2幕仕立てで、第2幕は川島麻実子さんが踊るようですね。　主なキャストも上記リンク先に出てますので、どうぞ～。

公演は 7/29（水） です！

[mizuko]

NBS から上演時間発表されてまっせ。　Ａプロ、Ｂプロで4時間半。　加えてこの猛暑ですので、まさしく観るのも体力勝負。　皆さん、体調整えて参りましょう～。

http://www.nbs.or.jp/blog/news/contents/topmenu/14-9.html

[mizuko]

本日の 『ドン・キホーテ』 全幕特別プロをもって、第14回世界バレエフェスティバルが開幕しましたねー。　NBSのサイトにはキャスト表が出てないですが、7/24に載っていたので変更なしでしょうかね。

[mizuko]

・・・で、ですね、で、ですよ。　NBSから出演者変更のお知らせが出ているのですよ。。。

http://www.nbs.or.jp/blog/news/contents/topmenu/14-729.html

あぁ、なんと、ミリアムが降板です 　『ラ・フィーユ・・・』 公演中の怪我が結局治らないどころかリハーサルを重ねるうちに悪化してしまったのだとか。　悲しい。。。　でも、まずは治療に専念していただきたいと思います。　早く良くなりますように！

マチアスは予定通り出演で、既に東京にいます！　Aプロは恐らくソロ （ご本人が facebook にアップしていた 「アレポ」 かなっ？　だといいなっ！）。　Bプロとガラは、ウィーンのリュドミラ・コノヴァロワが急遽出演しマチアスと踊るそうです。　ルグリさんのご尽力でありましょう。　個人的には、せっかくなので、オーレリーにマチアスとも踊ってほしかったなーなどと思っとりますが・・・。　あん、残念。

それと、マリア・コチェトコワも怪我をしているそうです。　Aプロへの出演は難しい状況だそうですが、つまり Aプロは降板ってことですかね。　パートナーのダニール・シムキンはそのまま出演するそうですが、演目をどうするか、Bプロはどうなるのか、まだわからないようです。

[mizuko]

さぁ、始まります！

[Thes]

mizukoさん、皆様

本当にお久しぶりです。

[mizuko]

Thes さん、お久しぶりです～。　私も初日行ってきました。　会場にいらしたのですね！　やはりすごい人で、ロビーも大混雑でしたね～。

ちなみに、グッズ販売も大盛況でしたので、何かご購入を検討されてる方は早めに会場に到着されることをお勧めします～。　オーレリーの本も明日8/5発売で、会場で販売される様子でしたよ！

マチアスのマンフレッドですが、渾身は渾身でしたけど、そもそも好きではないということもあって、私はむしろ不満のほうが強く、ちょっと埋もれたかなーと思いました。　この作品、私の目にはどーしてもダサく見えるのですよね・・・。

ほかはですね、twitterに書きましたが、ベテランたちの至芸が光っていました。　一番のヒットはヴィシニョーワ×マラーホフの「The Old man and me｣（ファンマーネン）。　ウィットとパンチが効いてる面白い作品で、今のこの二人にぴったり。　オーレリー×エルヴェの 「Together Alone」（ミルピエ） も結構よくて意外 　いや、これはこの二人の至極滑らかな動きを作り出せるパートナーシップのお陰かも。　ゲラン×ルグリの 「フェアウェル・ワルツ」（ド・バナ） は二人が作り出す世界が一段グレードが違うほどでした。　タマラ・ロホ （「黒鳥」） は表現力、音楽性、見せ方、テクニック、どれをとってもさすがでひれ伏したくなるくらい。　パートナーで初登場のアルバン・レンドルフはタマラに引っ張られて好演。　ロパートキナもどこととっても完っ璧な白鳥で、客席は静まりかえっていました。　しかし、普通はレヴェランスの後幕が閉まるのを舞台上で待つのですが、ロパートキナは引っ込んでしまい・・・。　ソロとかコーダもあるのかと期待した客席でしたが、ライトが消えて、ずっこける、という。　カーテンコールに出てきたロパートキナが満面の笑みだったのが微笑ましく、観客との距離が一気に縮まった瞬間でした。

書き出したら止まらなくなりましたが、この辺で止めときます～。

この暑さにすっかりやられて頭がぼぉーっとしてしまっておりましたが、今日になってやや復調。　これからギアを上げてフェスを乗り切りたいと思います！

[mizuko]

昨日のAプロ最終日を観てきました！　すっごかったです～ 　初日はやはりまだ固さのあるダンサーも多く、この暑さと時差のせいか本調子ではなさそうなダンサーも見受けられましたが、約1週間経って、身体も慣れて、精神的にもノッてきて、出演者の皆さん、いよいよ本領発揮で素っ晴らしかったです！　こんな舞台が観られて幸せ。

詳しくは改めてとさせていただきますが、明日からのBプロについて NBSからのお知らせをまとめます。

怪我でAプロは降板、Bプロへの出演が危ぶまれていたマリア・コチェトコワは、結局全て降板となったそうです。　ご本人も楽しみにしていたでしょうに、残念ですが、怪我の早期回復をお祈りいたします。
パートナーの予定だったダニール・シムキンは、Aプロはヤーナ・サレンコと 「パリの炎」 を踊りましたが、Bプロはソロのようです。　ガラのプログラムを繰り上げて、「レ・ブルジョワ｣ を踊るそうですよ！　しかし、ガラの演目は調整中とか。
http://www.nbs.or.jp/blog/news/contents/topmenu/post-556.html


マチアス・エマンとリュドミラ・コノヴァロワの演目も出てましたよね。　Bプロは 『眠れる森の美女』、ガラは 「ドリーブ組曲」 です！
http://www.nbs.or.jp/blog/news/contents/topmenu/14-729.html

[mizuko]

昨日のタマラ。　アシュリー・バウダーが instagram にアップしてくれてます。
黒鳥のバリエーションの最初のピルエット→アチチュード・ピルエット、3回転→3回転です～。　思わず声が出ちゃってます。　私もこんなの初めて見た。

-------------
This is how you Black Swan
https://instagram.com/p/6C59NIP_3m/

[mizuko]

今日から Bプロです！

[mizuko]

ちなみに、明日 8/9 の演目に変更が出ているようですね。　マルセロ・ゴメスは Bプロ二日目から登場予定でそれには変更はないのですが、明日についてはソロ作品 （「悲しみのエチュード」 より4つのソロ） を踊るようです。　ゴメスの振付作品。　ヴィシニョーワはマラーホフともう一度 「The Old Man and Me」 だそうです。

http://www.nbs.or.jp/blog/news/contents/topmenu/1489.html

[mizuko]

遅くなりました～。　Bプロが始まってしまいましたが、Aプロの感想を書き込みます。　長いよ！

今回観たのは、8/1 （土） の初日と 8/6 （木） の Aプロ最終日。　単純に初日は見逃したくなくて、Bプロは最終日がいいと考えたら、2週間近くもあいてしまう！ それじゃつまらん！ と思って後から買い足したのが Aプロ最終日。　結果的に初日どことなく残った不完全燃焼が払拭されて、すっきり盛り上がれて成功でした。

8/6 の舞台は、初日に比べてダンスと音楽の一体感が段違いによく、絶対的なダンステクニックに裏打ちされたあらゆる動きが音楽と共に自然発生的に作り出され、超一流のダンサーたちによるまさしく "ダンスの祭典" でありました。　本当にすごかった。



第14回世界バレエフェスティバル 　＜プログラムＡ＞　
2015年8月1日(土）14:00 / 6日(木) 18:00　　於） 東京文化会館

＜第 1 部＞

「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」（バランシン／チャイコフスキー）
ヤーナ・サレンコ、スティーヴン・マクレー

Aプロのトップバッターを務めることはやはりマクレーでも難しいのか、初日はマクレーにしては動きのキレがイマイチで、二人ともまだちょっと固いというか、手探りな感じでした。　音もゆっくりで、期待には届かず。　客席の反応もこの二人にしては大人しかったように思います。　しかし、Aプロ最終日にはしっかり調子が上がっていて、当夜のスイッチを入れる役割を存分に果たしていました。　ま、私としては音はもうちょっと速いほうが好みですがな～。


「3 つのグノシエンヌ」（ファン・マーネン／サティ）
マリア・アイシュヴァルト、マライン・ラドメーカー
ピアノ : フレデリック・ヴァイセ＝クニッテル

そもそもこの作品は好きなので、身を任せてみていました。　二人ともしっかり調整してきていて、鑑賞した二日間とも安定した素晴らしいパフォーマンス。　ランドマーカーは、この作品は男性はともするとただの持ち上げ役に陥ってしまうところ、強い存在感をもって何かを付け加えていましたよ。　素晴らしい。　かっこいいし♪

8/6 はちょうどふたつ目のパートの終わりに差し掛かった頃に地震が発生。　あの東京文化会館もけっこう揺れて、客席がざわつき緊張が走りましたが、舞台上の二人もピアニストのヴァイセ＝クニッテルもダンスを止めることはなく、全くの動揺も見せずに3番目のパートに入っていきました。　舞台上方の照明器具だって揺れていたはずで、気づかなかったとは思えません。　それなのに、地震に慣れているはずの我々のほうが動揺するとは。　終了後、会場が拍手喝采に包まれたのは言うに及ばず、この素晴らしい芸術家たちのアチチュードにも感心しました。　（この後、進行には全く影響はなく、地震があったことすら忘れてしまうほどのパフォーマンスが続いたのでした。）


「お嬢さんとならず者」（ボヤルスキー／ショスタコーヴィチ）
アシュレイ・ボーダー、イーゴリ・ゼレンスキー

日本での上演は珍しいですよね。　私は初めて見ました。　とある街角でならず者がお嬢さんを見初めて恋をし、猛烈なアピールにお嬢さんもちょっと気持ちが揺れるけれども、去っていく、という一場面。　アシュリー・バウダーは "お嬢さん" という形容はちょっと似合わない感じでしたが、音楽性はさすがです。　衣裳がですね、初日はふんわりミニスカートの黄色のワンピースでしたが、6日は淡いピンクの薄手のワンピースに変わってました。

ゼレンスキーはですね、まだちゃんと跳ぶし、ザンレールもオッケー。　初日は身体に疲れがあるように見受けられ、おじさん張り切ってるけどフェス最後まで持つかななどと思ってしまいましたが、6日はかなり調子良さそうに踊ってましたー。 　ははは、超一流ダンサーに向かってどういうコメントなんだか・・・

いろいろ面白かったです。


「白鳥の湖」より"黒鳥のパ・ド・ドゥ"　（プティパ／チャイコフスキー）
タマラ・ロホ、アルバン・レンドルフ

ハイライトその1。　西の女王タマラ・ロホです。　やはり初日からしっかり調子を合わせてきてましたが、Aプロ最終日はフルチャージでさらにグレードアップしてました！　先日も書きましたけど、タマラは本当にすごくて、もぉ降参です。　全身を使っての表現力には知性が溢れ、音楽性はピカ一。　アダージオの途中に挿入している長いバランスは、アラベスクに入ってすぐにパートナーの手を離すし、軸足はピクリともしない。　回転は大サービスで、でも常に音と一緒にあるのが彼女を称賛するところ。　6日、バリエーションの最初のピルエット 3回転 → アチチュード・ピルエット 3回転 しかも余裕 なんて初めて見たし (これ→ https://instagram.com/p/6C59NIP_3m/ ）、グランフェッテはシングル→ダブル→トリプルもありました！　会場は大興奮でしたよっ！

こんなタマラに引っ張ってもらえるアルバン・レンドルフは幸運です。　ほかの出演者に全く引けをとらないジャンプ力、テクニックをもってますが、ですが、彼は初日と変わらなかったのですよね。　ちょっとつまんなかったかなー。　タマラのすごさを前にして自己主張を忘れてしまっていたのかも。　しかし、彼はキラっとする魅力を持っているはずなので、Bプロではそれが出てくることを期待しましょう。　Bプロは 「椿姫」 です。


「フェアウェル・ワルツ」 （ド・バナ／ショパン、マルティノフ）
イザベル・ゲラン、マニュエル・ルグリ

ハイライトその2。　超一流が揃う中での最高峰の芸術性。　二人が作り出す世界が心に染み入り、ダンスの美しさと表現の可能性に感嘆を覚えながら、二日間ともひたすら見入っておりました。　とくにゲランのつま先の美しさとそのつま先が表現するものが、素晴らしくて・・・。

ちなみに、ルグリさん側の振付はバナさんとわかるのですが、ゲラン側の振付はバナさんっぽくなかったんですよね。　だからよかったのかしらん。　




＜第 2 部＞

「アザー・ダンス」（ロビンズ／ショパン）
アマンディーヌ・アルビッソン、マチュー・ガニオ
ピアノ : フレデリック・ヴァイセ＝クニッテル

初日は相当緊張してたんじゃないかと思います。　最後のパートになってとても良くなってたので、日を追うごとにどんどん良くなるという確信はありましたが、そのとおり！　Aプロ最終日はこの二人がいかに音楽性が高く、素晴らしいパーソナリティを持っているかがはっきりわかるほどでした。　そもそもこの作品は大好きなのですが、この6日のパフォーマンスは特に記憶に鮮明に残っていて、ヴァイセ＝クニッテルの魅力的なピアノの音と一緒に頭の中で繰り返し再生しています。　パリ・オペラ座の洗練をふりまく素敵なペアでもあり、この二人のダンサーがますます好きになりました。


「マンフレッド」（ヌレエフ／チャイコフスキー）
マチアス・エイマン

あのですね、この作品はどーしてもダサく見えて嫌だと言いましたが、6日は何かが違いました。　マチアスの集中力がものすごくて、その迫力に圧倒されてしまいましたよ。　音楽も全然違って聞こえて （もしかしたら、座っていた席のせいかもしれませんが）、力強かったです。

感涙。


「ジゼル」（コラーリ、ペロー／アダン）
サラ・ラム、ワディム・ムンタギロフ

フェスでジゼルを踊るのは、あまりいい選択ではないように思うのですよね。　ジゼルが代名詞のように言われているダンサーでなければ。　ただ、今回はムンタギロフのための選択だったかもしれません。　あのヴァリエーションは、テクニック、つま先までのライン、完璧でした。


「ライモンダ」より第 3 幕のパ・ド・ドゥ　（グリゴローヴィチ(プティパに基づく)／グラズノフ ）
マリーヤ・アレクサンドロワ、ウラディスラフ・ラントラートフ

ボリショイのダンサーがガラ公演で踊る 「ライモンダ」 は夢の場の PDD ですね。　プログラムには第3幕と書かれていますが、第1幕かな。　ただヴァリエーションについては、ジャン・ド・ブリエンヌは第3幕 GPDD から、ライモンダは今回第2幕のポワントでシャンジェマンをするやつでした。　二人とも大変ボリショイらしいダンサーで、愛に満ち溢れたパドドゥに魅了されました。



＜第 3 部＞

失われた純情 「いにしえの祭り」 （ノイマイヤー／シュトラウス）
アンナ・ラウデール、エドウィン・レヴァツォフ　
シルヴィア・アッツォーニ、アレクサンドル・リアブコ

二組のノイマイヤー・ダンサーが続けて踊る、全幕からまさしく1場面切り取ったというような構成になってました。　現役の振付家の下で踊るダンサーというのは強いですね。　今回は常に動いている舞台セット （黒子風エキストラ二人） の効果もあって、完全に一つの世界を作り出していました。　私はアッツォーニとリアブコが大好きなんですが、ラウデールとレヴァツォフがすごく良かったです。


「シンデレラ」 （アシュトン／プロコフィエフ）
アリーナ・コジョカル、ヨハン・コボー

初日はここの記憶がなかったのですけど、6日はキラキラしていてとっても良かった。　客席の全体的な反応も同じ感じ （初日は鈍く、6日は満足した拍手） でしたので、このような感想を持ったのは私一人ではないと思います。　アダージオだけなのに、しっかり観客の心をつかめるのはすごいです。


「オールド・マン・アンド・ミー」 （ファン・マーネン／J.J.ケイル、ストラヴィンスキー、モーツァルト）
ディアナ・ヴィシニョーワ、ウラジーミル・マラーホフ

今回のフェス最大のヒット！　ハイライトその3にして、一番です。　もう一度いいますが、ウィットとパンチが効いてる面白い作品で、今のこの二人にぴったり。　ヴィシニョーワは表情もとても良かった。　3つパートがあって、ユーモア満載なのは最初のパート、二番目は陽気で楽しく、最後のパートは雰囲気が変わり、曲はモーツァルトピアノ協奏曲第23番第2楽章で、『ル・パルク』 の解放のPDDでも使われている曲。　どこか哀愁の漂う、心のもっとも敏感なところがチクンとするような後味でした。　1996年2月29日、ネザーランド・ダンス・シアターによりハーグで初演された作品です。　（ https://vimeo.com/120515858 ）


「パリの炎」（ワイノーネン／アサフィエフ）
ヤーナ・サレンコ、ダニール・シムキン

特に新しくはないですが、テクニシャンのお二人、会場は盛り上がってましたよ！



＜第 4 部＞

「白鳥の湖」第 2 幕より　（イワーノフ／チャイコフスキー）
ウリヤーナ・ロパートキナ、ダニーラ・コルスンツェフ

東の国の皇后ロパートキナです。　ハイライトその4。　コール・ド・バレエはつかず、2幕のグラン・アダージオだけの上演でしたが、しかし、どこまでも高貴で完璧なロパートキナにひたすらうっとりしておりました。

やはり初日よりも6日のほうが音楽的で、さらに素晴らしかった！　気がついたのですが、決してテンポは遅くないのですよね。　非常にありがちな音楽からどんどん遅れていくというのがない。　特にアダージオの途中、ディアゴナルにアラベスクからリフトを入れていくところは、もはや音に対する振付の当てはめ方さえ変えてしまっている場合も多いのですが、本来のまま （だと思う） でした。　降りる音で降りる。　見ていてとても心地良いです。　王子然としたダニーラ・コルスンツェフの鉄壁のパートナリングにも称賛を贈りたいと思います。　

それと、今までと違って、とても温かみのあるオデットだったと思うのですが、ご覧になった方、どう思われました？　決して孤高の存在ではなく、王子の愛に寄りかかってしまいたいと思っているような、そんな弱さ （＝魅力） も感じられるオデットだったと思います。

ちなみに、レヴェランスで初日は幕が下りる前にひっこんでしまったのですが、6日はちゃんと舞台上にいてくれました。　たぶん二日目から段取りどおりになってたんじゃないでしょか。　今回ロパートキナはとても楽しそうで、舞台裏ではこんなこともしてるみたいです～。　シムキンの HP の この写真 は必見です。


「トゥギャザー・アローン」 （ミルピエ／グラス）
オレリー・デュポン、エルヴェ・モロー
ピアノ : フレデリック・ヴァイセ＝クニッテル

ま、もちろんほかの作品でもよかったんですけど、これ、意外と結構よかったんですよね。　ちゃんとステップのあるダンスだし、リフトも多様。　この二人の至極滑らかな動きを作り出せるパートナーシップと共有するという音楽性のお陰もあるとは思います。　特に心に何かが残るわけではない作品ですが、「よかった」 と思える舞台にできるのは、オーレリーとエルヴェだからですかね。


「オネーギン」より第 1 幕のパ・ド・ドゥ 　（クランコ／チャイコフスキー）
アリシア・アマトリアン、フリーデマン・フォーゲル

さすが本家本元のダンサーだけあって、安定感のあるパフォーマンス。　あのリフトはあんなに簡単なのか。　そういえば、このペアでフェスに初登場したとき、ガラで踊ったのが、あののび～るTシャツでセンセーションを巻き起こした 「太陽に振る雪のように」 だったのですよね。　


「ドン・キホーテ」 （プティパ／ミンクス）
ヴィエングセイ・ヴァルデス、オシール・グネーオ

えーと、ヴィエングセイ・ヴァルテスがフェスで観客を仰天させたのは9年前の2006年。　9年も経って、全く同じ演目で、全く同じ曲芸を見せるって、・・・どうかなぁ。　9年前よりも精度落ちてたし。　まぁ、9年前を見てない人にとっては、エキサイティングだったかもしれませんし、これが彼女が打ち出したい個性なんだとは思いますけど、Bプロも9年前と同じ演目でございますよ。　しかし、9年か。。。

今回は、パートナーが売り出し中と思われるオシール・グネーオ。　グネーオはキューバ出身で、キューバ国立を経て2013年ノルウェー国立に。　2015/2016シーズンからはタマラ・ロホ率いるイングリッシュ・ナショナルへ移籍することになっています。　高い跳躍、そしてあの自由自在で非常にクリーンなピルエットはホセ・カレーニョの全盛期を超えるかと思うほど。　脚のラインもきれいです。　見得は切るんですけど、品は損なわず、動き自体が非常に洗練されているのがいいです。　今回回転キングも揃ってますが、常連を抜き去ってますかね～。　アシュリー・バウダーの instagram とダニール・シムキンの instagram で実態つかめます。

ちなみにですね、あの男性の衣装、胸元が開きすぎなんじゃないかと思うんですけど、まぁ、衣裳が黒でお肌が褐色だから、よくわかんないかな。　女性のほうはランプシェードみたいだったですけど、うー、各地域の個性とセンス、、、ですな。

そんな感じで会場は大盛り上がりで、Aプロは幕を閉じました。

出演者が勢ぞろいしたカーテンコールはまさしく壮観。　3年に一度の祭典はまだ続きます。

[mizuko]

今回NBSは動画のアップが非常に早くて、Aプロのカーテンコール映像と、出演者からのビデオメッセージを公開してくれてます～。

Aプロ　カーテンコール


http://www.nbs.or.jp/blog/news/contents/2015-wbf/wbf14a.html


ビデオメッセージ

　ウラジーミル・マラーホフ　　　　　ウラジーミル・ラントラートフ

　サラ・ラム　　　　　マチュー・ガニオ

　シルヴィア・アッツォーニ　　　　　ダニール・シムキン

　アンナ・ラウデール　　　　　ワジム・ムンタギロフ

　マチアス・エマン　　　　　オシール・グネーオ

　マニュエル・ルグリ　　　　　オーレリー・デュポン

　フリーデマン・フォーゲル