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Legris/Guillem "New Universe of Legris" 3-9/02/10
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mizuko



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MessagePosté le: Mer Jan 20, 2010 2:13 pm    Sujet du message: Répondre en citant

NBSからです。
http://www.nbs.or.jp/blog/news/contents/topmenu/post-191.html
Citation:
開幕までいよいよ2週間となった<マニュエル・ルグリの新しき世界>。
12月に行われた「ホワイト・シャドウ」のリハーサルの様子とマニュエル・ルグリ、パトリック・ド・バナのインタビューがWOWOWで下記のとおり紹介されます。ノンスクランブル放送ですので、BS放送をご覧になれる方ならどなたでもお楽しみいただけます。絶対にお見逃しなく!


■放送局:WOWOW(BS 5ch/BSデジタル191~193ch)

■番組名:演劇情報番組「プルミエール」  *ノンスクランブル放送(無料放送)

■放送日時:1月26日(火)夜11:50~11:58 *再放送あり 

※スケジュール等、詳細は番組HPでご確認ください。


この番組、『ル・パルク』での来日時のを見ましたが、時間が短いわりに満足度が高かった記憶があります~。 今回もちょっと期待♪ 見られる環境にある方は、是非!


それと、先日の東京バレエ団『ラ・シルフィード』の公演会場ロビーに衣装が展示してありましたが、サイト上に写真を掲載してくれてます。 女性のドレスは、写真で見るよりも素敵でしたよ~。
http://www.nbs.or.jp/blog/news/contents/topmenu/post-190.html


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mizuko



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MessagePosté le: Mar Fév 02, 2010 12:46 pm    Sujet du message: Répondre en citant

いよいよ明日が初日ですね Very Happy
NBSが発表している予定上演時間をコピーしておきますね~

http://www.nbs.or.jp/blog/news/contents/topmenu/post-192.html
Citation:
[ルグリの新しき世界]予定上演時間のお知らせ

初日を前に、Aプロ、Bプロともに上演時間、プログラムが決定いたしましたので、お知らせします。
(上演の順番は当日に変更する場合がございますので、あらかじめご了承ください)


<マニュエル・ルグリの新しき世界>

●Aプロ
ルグリ×ド・バナ×東京バレエ団 スーパーコラボレーション


【第1部】(35分)

「クリアチュア」
オレリー・デュポン フリーデマン・フォーゲル

奈良春夏、矢島まい、渡辺理恵、川島麻実子、河谷まりあ
長瀬直義、井上良太、柄本弾、杉山優一、森川茉央

「ザ・ピクチャー・オブ・・・」
マニュエル・ルグリ

【休憩】(20分)

【第2部】(60分)

「ホワイト・シャドウ」 [世界初演]
マニュエル・ルグリ、パトリック・ド・バナ

吉岡美佳、上野水香、西村真由美

松下裕次、氷室友、小笠原亮、宮本祐宜、岡崎隼也
高木綾、奈良春夏、川島麻実子

吉川留衣、河合眞里、矢島まい、渡辺理恵、河谷まりあ
梅澤紘貴、青木淳一、井上良太、杉山優一、中村祐司



●Bプロ
ルグリと輝ける世界のスターたち


【第1部】(55分)

「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」
ヘザー・オグデン ギヨーム・コテ

「モペイ」
フリーデマン・フォーゲル

「スリンガーランド」
アニエス・ルテステュ パトリック・ド・バナ

「ドニゼッティ・パ・ド・ドゥ」
上野水香 デヴィッド・ホールバーグ

「優しい嘘」
シルヴィ・ギエム マニュエル・ルグリ

【休憩】(20分)

【第2部】(60分)

「マリー・アントワネット」
アニエス・ルテステュ パトリック・ド・バナ

「ハロ」
ヘレナ・マーティン

「アザー・ダンス」
オレリー・デュポン フリーデマン・フォーゲル

「失われた時を求めて」 "モレルとサン・ルー"
ギヨーム・コテ デヴィッド・ホールバーグ

「三人姉妹」
シルヴィ・ギエム マニュエル・ルグリ


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mizuko



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MessagePosté le: Mer Fév 03, 2010 4:50 am    Sujet du message: Répondre en citant

NBSの公式サイトで、Bプロのキャスト変更が発表になっています。

http://www.nbs.or.jp/blog/news/contents/topmenu/b-4.html
Citation:
<マニュエル・ルグリの新しき世界>Bプロキャスト変更のお知らせ

<マニュエル・ルグリの新しき世界>Bプロの出演者が下記のとおり変更となりました。
当初、「アザー・ダンス」に出演を予定しておりましたフリーデマン・フォーゲルはリハーサル中に首を痛め、「アザー・ダンス」に出演することができなくなりました。
そのため、マニュエル・ルグリの判断により「アザー・ダンス」はデヴィッド・ホールバーグが、また「ドニゼッティ・パ・ド・ドゥ」は上野水香のリハーサル・パートナーを務めていた高岸直樹が急遽出演することになりました。
何卒ご了承のほどお願い申し上げます。なお、「モペイ」は予定どおりフォーゲルが出演いたします。

変更後のプログラムは下記のとおりです。


●<マニュエル・ルグリの新しき世界>Bプロ
ルグリと輝ける世界のスターたち


【第1部】(60分)

「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」
ヘザー・オグデン ギヨーム・コテ

「モペイ」
フリーデマン・フォーゲル

「スリンガーランド」
アニエス・ルテステュ パトリック・ド・バナ

「アザー・ダンス」
オレリー・デュポン デヴィッド・ホールバーグ

「優しい嘘」
シルヴィ・ギエム マニュエル・ルグリ

【休憩】(20分)

【第2部】(55分)

「マリー・アントワネット」
アニエス・ルテステュ パトリック・ド・バナ

「ハロ」
ヘレナ・マーティン

「ドニゼッティ・パ・ド・ドゥ」
上野水香 高岸直樹

「失われた時を求めて」 "モレルとサン・ルー"
ギヨーム・コテ デヴィッド・ホールバーグ

「三人姉妹」
シルヴィ・ギエム マニュエル・ルグリ


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MessagePosté le: Mer Fév 03, 2010 4:51 am    Sujet du message: Répondre en citant

フリーデマンはBプロの「モペイ」とAプロの「クリアチュア」は予定通り踊るようですが、痛めた首が大事に至らないこと、早く回復することをお祈りします。
本日初日のキャストをコピーしておきますね。

http://www.nbs.or.jp/blog/news/contents/cast-and-program/a-2.html
Citation:
<マニュエル・ルグリの新しき世界> Aプロ 本日のキャスト

《マニュエル・ルグリの新しき世界》
Aプロ
ルグリ×ド・バナ×東京バレエ団 スーパーコラボレーション

振付:パトリック・ド・バナ

「クリアチュア」 (日本初演)
音楽:デム・トリオ(トルコの伝統音楽)、マジード・ハラジ、ダファー・ヨーゼフ

オレリー・デュポン、フリーデマン・フォーゲル

奈良春夏、矢島まい、渡辺理恵、川島麻実子、河谷まりあ
長瀬直義、井上良太、柄本弾、杉山優一、森川茉央


「ザ・ピクチャー・オブ・・・」
音楽:ヘンリー・パーセル

マニュエル・ルグリ


【休 憩】


「ホワイト・シャドウ」 (世界初演)
音楽:アルマン・アマー
照明:高沢立生
装置:野村真紀
衣裳:髙井秀樹(stödja)

マニュエル・ルグリ、パトリック・ド・バナ

吉岡美佳、上野水香、西村真由美

松下裕次、氷室友、小笠原亮、宮本祐宜、岡崎隼也
高木綾、奈良春夏、川島麻実子

梅澤紘貴、青木淳一、井上良太、杉山優一、中村祐司
吉川留衣、河合眞里、矢島まい、渡辺理恵、河谷まりあ


※音楽は特別録音によるテープを使用します。


◆上演時間◆

「クリアチュア」 「ザ・ピクチャー・オブ・・・」 19:00 ~ 19:35
休憩 20分
「ホワイト・シャドウ」19:55 ~ 20:55


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MessagePosté le: Jeu Fév 04, 2010 5:26 pm    Sujet du message: Répondre en citant

初日(2/3)を観に行ってきました! 今日中にレポートをあげようと思っていたのですが、どうも文章がまとまらず。。。 なので、明日にしまーす。

とりあえず、既にご存知の方も多いと思いますが、初日の会場にはカメラが入っていまして、収録された舞台は、WOWOWで放送される予定だそうです。 WOWOWかぁ・・・


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MessagePosté le: Ven Fév 05, 2010 6:21 am    Sujet du message: Répondre en citant

お待たせしました。 初日(2/3)公演のレポートです。 あくまでも私の個人的な感想であることを予めご了承ください。


最初の演目は、「クリアチュア」 CRÉATURE。 プログラムの解説によると、もともとはド・バナがオランダのイントロダンス・カンパニーに振り付けた作品で、ルグリのグループ公演のために新たなバージョンが作られたそう。 全体的な印象としては、"キリアンをベジャールの哲学性を持って踊る" といったところかと。 衣装がキリアンの「ベラ・フィギュラ」に酷似していたのと、振付自体にはキリアンからの影響を、使用している音楽や作品全体に流れる精神性にはベジャールからの影響を強く感じたのです。 ゲストのオレリー・デュポンとフリーデマン・フォーゲルは、やはり非常に優れたダンスを見せていました。 二人の動きの質にはちょっとした違いがあったというのも面白かったです。 オレリーは、舞台上に存在しているだけでも何か空気をまとっているのですよね。 キリアンを踊りなれているせいか、力の抜き具合も絶妙です。 当日に首を痛めたとの情報があったフリーデマン・フォーゲルは、そんなものは全く感じさせない踊りであったと思います。 なので、出来たらそれを知らないで見たかったなぁと思いました。

(キャスト変更を発表するタイミングは非常に難しいとは思いますが、またどこまで発表するかということもデリケートな問題で難しいと思うけれども、観客として知るべきことと知らないほうが幸せなこともあるということを、情報発信をしている側の私としても考えさせられました。)

コールドは全部で5組10人の男女。 衣装はソリストの二人と全く同じです。 ん~、残念ながら、コールドがよければ作品全体にもう少し厚みや力強さが加わるのだろうけどなぁという印象は拭えなかったです。。。


続いて、ルグリによるソロ「ザ・ピクチャー・オブ」。 私はこの作品を見るのはバレエフェスに続いて2回目ですが、こちらもあくまでも私が感じたことですけど、「あぁ、こういう作品だったよな。」という感想しか持たなかった、というか、持てなかったんです。よね。 残念なんですけど。 ただ、作品がだいぶルグリに馴染んできたとは思いました。


休憩を挟み、いよいよ初演となる『ホワイト・シャドウ』です。 全体的な印象は、ずばり、「パトリック・ド・バナの世界」。 それ以上には言い表せません。 とはいえ、まずは、照明がとてもセンスが良くて、私は大変気に入りました。 舞台袖のカーテンは取り払われ、大きな照明のセットがむき出しになっています。 舞台上には可動式の大きな壁が三つ。 煉瓦が積まれた模様が描いてあるその壁は、出演している男性ダンサーたちがシーンによって動かすようになっていて、それが作品の雰囲気にとても合っていて効果的でした。 作品自体も「クリアチュア」と比べてずっと見応えのあるもので、1時間の大作でしたが、さほど間延びすることもなく、特に出演者たちの集中力が途切れないことには感心、感心。 この作品にかける意気込みも感じられましたね~。 プログラムノートにあった作品のテーマは、「宇宙」あるいは「永遠」。 「平和」や「調和」との表現もありましたが、うむ、「平和」「調和」というより、「混沌」としたエネルギーを感じましたです。

振付家本人が踊る舞台は、その作品を知りたければ振付家本人を見るべし。 ストーリーがあるわけではないので、「感じる」というべきか。 で、私がド・バナさんから感覚として受け取ったのは、テーマそのものの "果てしない宇宙"。 そこには「混沌」と「静寂」が同時に存在するようなエネルギーがあって、ド・バナさんの世界に吸い込まれていくようでした。 何だろう、ド・バナさんの持つものなんですが、視覚的にも、なんというか、全く異質な動きで、あれは何か特別な呼吸法があって、それによって生み出されるのかしら。 重力があるようでないような、常に床から30cmくらいの位置を平行に移動しているような非常な滑らかさのある不思議な脱力感に引き上げ感。 忘れられない強い印象を残しますよね。

さて、ルグリですが、大変切れの良いルグリらしい踊りであったと思います。 しかし、例えばこの作品の最後に用意されていたルグリとド・バナさんとのデュエットとなると、そこはまさにド・バナさんの土俵といったかんじ。 恐らく今まで様々な振付家の作品を踊ってきたルグリといえど、ド・バナさんの振付はまだまだ探求の余地があると言ったところでしょうか。 だからこそ惹かれているのだと思いますが。

ド・バナさんの作品を真に表現するには完全に彼の世界に没入する必要があるような気がします。 その点は、東京バレエ団のどのダンサーもまだド・バナさんの世界に飛び込みきれていない印象はありましたが、そんな中、ルグリと組んだ西村真由美さんが出色の踊りを見せてくれたと思います。 すごく表現力のあるダンサーだと再認識しました。 コンテンポラリーの動きももちろん出来ている。 残念だったのは、相当緊張していたのか、たぶんリハーサル時に比べて身体が上手く動いていなかったのではないかと見受けられたこと。 二日目にはもっと良くなるはずと思いましたが、どうだったでしょうか。 比べて、ド・バナさんと組んだ上野水香さんは感情を持たない人形のようでありました。 彼女の個性と言えばそうではあり、それでよいのだと思いますが。 作品の核となる吉岡美佳さんの役どころは、「ゼロ」とか「静寂」だったような気がしますが・・・えっと、それとはちょっと違うような・・・ド・バナさんと創った役なわけなのでこれでいいんだと思いますけど・・・うむ、どうなんだろう。。。言葉を濁したい・・・

女性3人のソリストも良かったと思いますが、やはり注目だったのは男性5人の群舞でしょう。 リードを踊ったのは松下裕次さんでしたが、隣りの宮本祐宜さんと、宮本さんと反対側にいたのは岡本隼也さんでしょうか、この3人がとても良くて、大変失礼ながら、東京バレエ団の男性にこんなにセンスのある人がいたのか!と驚いてしまいました。 非常に力強く激しい振付でしたが、特に宮本さん、振付の捉らえ方、音の捉え方、動きの鋭さ、コントロール、センス、エネルギー、どれも素晴らしく、全く目が離せなかったです。

もう一つほとんど踊らない群舞があったんですけど、あの存在は~ちょっとよくわからなかったかな。 彼ら自身も若干居心地が悪そうな雰囲気でした。(と思いました。) しかし、東京バレエ団にしては珍しく、って言ったらまたお叱りを受けそうだが、髪型にまでしっかり気を配って、衣装ももちろん良く、ビジュアル的にも統一感があるものでした。

相当な力を注いで製作した作品だと思いますが、東京バレエ団にとって新しい財産となりえるものではないでしょうか。 再演を重ねていってほしいと思います。


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mizuko



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MessagePosté le: Mer Fév 10, 2010 5:45 am    Sujet du message: Répondre en citant

ルグリとギエムの共演という夢のようなガラ公演も昨日で終わってしまいましたね。 2/6(土)の夜公演と2/7(日)の公演を観に行くことが出来ましたが、この二人が一緒に舞台で踊っているという事実を目の当たりにしただけで、もう感動。 まさしく、バレエ界を牽引してきた同世代の二人の偉大なアーティストから、この上なく素敵な贈り物ももらったような舞台でした。 言葉にするのがもったいないと言うか、私には言葉で表現しきれない気がします。

そこを敢えてレポートするとすれば・・・

この公演でギエムとルグリが選んだのは、キリアンの『優しい嘘』とマクミランの『三人姉妹』。 2部構成のそれぞれの最後の演目として踊られました。 まず第1部の最後に『優しい嘘』。 男女2組(初演は、ガイダ×ルグリとムッサン×ル・リッシュ)による短いパドドゥが鎖のように踊られていく作品のルグリのパートをいくつかつないで構成する形で、ルグリのスーパーバレエレッスンで取り上げられたパートを中心に、冒頭と終結部に同じ振付を配したパドドゥ作品としてまとめられていました。 以前世界バレエフェスでギエムがル・リッシュと踊ったものよりも上演時間は長かったです。 客席にいたおそらく全ての観客の期待と興奮に見守られて始まったパドドゥは、すぐに会場全体を深く深く二人が表現する作品世界へと引き込んでいきました。 完璧を越えていると思えるほどのダンスに、瞬きするのも息をするのも忘れて見入っていました。 見終わった後にも、「すごい」という言葉しか出てこないほど、ひたすら圧倒されて、ぼ~っとしていました。 永遠に観ていたかった。 もう一つの演目、公演の最後に踊られたのは『三人姉妹』(マクミラン)。 ギエムが好んでよく踊っていたパドドゥで、マーシャとヴェルシーニンの別れの場面です。 こちらはパドドゥだけの抜粋と言っても、ルグリにとっては初挑戦となる役。 ロシア人の将校にしてはルグリの踊りは華やか過ぎて見えたのと、衣装のダボつき加減が気になってしまいましたが、トウシューズを履いての踊りにも全く衰えを見せなかったギエムとの共演は、『三人姉妹』という作品からの抜粋としての完全なる信憑性を伴ったドラマというよりは、そのこと自体に遊び心が潜んでいるような、日本の観客に対して心を許しているからこそ披露されたというような、そんな空気がわずかに伝わってくるものでした。

今回の公演は、直前になってフリーデマン・フォーゲルの首の故障によって、予定されていたキャストに少し変更がありました。 フォーゲルがオレリー・デュポンと踊る予定だった「アザー・ダンス」は、ABTからのデイヴィッド・ホールバーグが代わりに踊ることとなり、フォーゲルはソロ作品の「モペイ」のみの出演となりました。 この「モペイ」は、マルコ・ゲッケによるもの。 簡単に調べたところによると、ドイツ・ヴッパタール生まれで、数々の賞も受賞している新進気鋭の振付家で、オランダのスカピノ・バレエ・ロッテルダムをはじめ、シュツットガルトやハンブルグ・バレエなどにはいくつもの作品を提供しているようですが、日本ではほとんど無名に近い存在ではなかったかと思います。 非常にユニークな作品で、ちょっとケッタイなんですが、とても面白かったです。You Tubeにフリーデマンが踊る映像が抜粋ですがアップされていますね。( Friedemann Vogel Marco Goecke Stuttgart Ballet Mopey 観客にも大変うけていました。

オレリー・デュポンとデイヴィッド・ホールバーグによる「アザー・ダンス」、土曜日の夜の公演では、まだしっくりいっていない感があるように思いましたが、日曜日の公演では二人の距離がぐっと縮まって、良い雰囲気になっていました。 ダンサーとして充実期にあると思われるオレリー・デュポンは、眩いばかりに美しく、素敵で、このような作品を踊るにふさわしい時期に入っていると思いました。 ホールバーグは、大変に美しいつま先の持ち主。 しかも完全に使いこなしていて、何よりジュテの後ろ足にまでしっかりと気を配り、その見事な足の運びにはステップに対する美意識の高さが示されていました。 ただ、ミハイル・バリシニコフに振り付けられたこのロビンズの「アザー・ダンス」を踊るには、やや存在感が強すぎると言うか、軽さや遊び心より威圧感が勝っている気がしましたかね。

そのホールバーグが持つ威圧感は、「失われたときを求めて」(プティ)からの "モレルとサン・ルー" のパドドゥで生かされてました。 ギヨーム・コテと踊りましたが、緊迫感があってとても良かったです。

公演プログラムが発表になってから注目を集めていた「マリー・アントワネット」は、期待にたがわずとても良質な作品でした。 衣装も音楽も美しく、振付には無理がなくて、それでいて非常に説得力のあるものでした。 パトリック・ド・バナによって振り付けられたこの作品は、ルグリへの「The Picture of...」とも東京バレエ団への「ホワイト・シャドウ」とも全く雰囲気が異なり、ド・バナ氏の振付家としての幅を見たように思います。 アニエス・ルテステュとのパドドゥになっていますが、ルテステュにとってずっと大切に踊っていきたい作品になのではないでしょうか。 ルテステュとド・バナは、フォーサイスの「スリンガーランド」パドドゥも踊りましたが、こちらはバレエフェスで見たときよりもエネルギーがありスリリングに踊られていて、面白く感じました。

そのほかの作品では、スペイン舞踊手でド・バナのカンパニーのゲストアーティスト/振付家であるヘレナ・マーティン(マルティン)が自作の「ハロ」を大変情熱的に踊って、観客から大きな拍手を得ていました。 この公演の最初のプログラムは「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」。 ナショナル・バレエ・オブ・カナダのヘザー・オグデンとギヨーム・コテが、ソフトに爽やかに踊りました。 これまで日本であまり踊る機会はなかった二人ですが、この公演で広く知られることになったでしょう。 ただ、いくつもの名演を見てきている日本の観客からすると、いや、私に限ってかもしれませんが、オグデンはこの1曲だけだったので、アピールし切れなかったような気がします。 ルグリ振付の難曲「ドニゼッティ・パ・ド・ドゥ」を踊った上野水香と高岸直樹については、この1ヶ月、『ラ・シルフィード』、「ホワイト・シャドウ」と踊ってきていた上野水香さんの頑張りと、急な代役で舞台に立たなければいけなくなった高岸直樹さんの精神力を称えたいと思います。


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MessagePosté le: Mer Fév 10, 2010 5:48 am    Sujet du message: Répondre en citant

NBSのサイトから、プログラムの詳細をコピーしておきますね。

http://www.nbs.or.jp/blog/news/contents/cast-and-program/b18.html
Citation:
《マニュエル・ルグリの新しき世界》
Bプロ
ルグリと輝ける世界のスターたち



【第1部】

「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」
ヘザー・オグデン ギヨーム・コテ

「モペイ」
フリーデマン・フォーゲル

「スリンガーランド」
アニエス・ルテステュ パトリック・ド・バナ

「アザー・ダンス」
オレリー・デュポン デヴィッド・ホールバーグ

「優しい嘘」
シルヴィ・ギエム マニュエル・ルグリ

【休憩】

【第2部】

「マリー・アントワネット」
アニエス・ルテステュ パトリック・ド・バナ

「ハロ」
ヘレナ・マーティン

「ドニゼッティ・パ・ド・ドゥ」
上野水香 高岸直樹

「失われた時を求めて」 "モレルとサン・ルー"
ギヨーム・コテ デヴィッド・ホールバーグ

「三人姉妹」
シルヴィ・ギエム マニュエル・ルグリ

◆上演時間◆
第1部 18:00 ~ 19:00
休憩 20分
第2部 19:20 ~ 20:15

※当初発表いたしました出演者に変更が生じております。
「アザー・ダンス」に出演を予定しておりましたフリーデマン・フォーゲルはリハーサル中に首を痛め、「アザー・ダンス」に出演することができなくなりました。
そのため、マニュエル・ルグリの判断により「アザー・ダンス」はデヴィッド・ホールバーグが、「ドニゼッティ・パ・ド・ドゥ」は上野水香のリハーサル・パートナーを務めていた高岸直樹が急遽出演することになりました。
何卒ご了承のほどお願い申し上げます。なお、「モペイ」は予定どおりフォーゲルが踊ります。


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MessagePosté le: Sam Fév 13, 2010 5:54 am    Sujet du message: Répondre en citant

NBSのサイト収録されたAプロの放送日時が発表になっています。 全編の放映だそうです。わぉ Very Happy  「ホワイト・シャドウ」の写真も公開されていま~す。

<マニュエル・ルグリの新しき世界>Aプロ WOWOWで放送決定!
http://www.nbs.or.jp/blog/news/contents/topmenu/awowow.html

Citation:
2月3日、4日に上演した、<マニュエル・ルグリの新しき世界>Aプロ "ルグリ×ド・バナ×東京バレエ団 スーパーコラボレーション" が、早くも4月にWOWOWで全編放送されます!
2日に行われたゲネプロも含め、3日間にわたり、10台のカメラにより撮影された迫力ある映像をお楽しみに!


☐放送局:WOWOW(BS 5ch/BSデジタル191~193ch)

☐放送日時:4月10日(土) 午前8:10~

☐放送内容:
<マニュエル・ルグリの新しき世界>Aプロ
 "ルグリ×ド・バナ×東京バレエ団 スーパーコラボレーション" 
「クリアチュア」「ザ・ピクチャー・オブ・・・」「ホワイト・シャドウ」 *全編ノーカット放送


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MessagePosté le: Mer Mar 10, 2010 12:58 pm    Sujet du message: Répondre en citant

Dance Cube 3/10号に両プログラムの写真つきの記事が載りましたよ~。 Very Happy

> Dance Cube : マニュエル・ルグリの新しき世界

 
(Source: http://www.chacott-jp.com/magazine/world-report/from-tokyo/tokyo1003a.html)


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MessagePosté le: Dim Avr 04, 2010 12:57 pm    Sujet du message: Répondre en citant

ダンスマガジンの最新号(2010年5月号)の巻頭特集になってますね。

さて、WOWOWでの放送も来週と近づいてきていて、NBSのサイトではWOWOWプロデューサーからのメッセージも紹介されています。
http://www.nbs.or.jp/blog/news/contents/cat121/awowow-1.html

WOWOWではCMも放送されてまして今日見ましたが、かなりクローズアップが多用されているかんじ。 カメラのアングルも横から後ろから・・といったかんじで、確かにある意味魅力的ではありますが、ん~、どうですかね~。 これはこれで楽しむくらいの気構えでいるといいかもしれません。


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